4/27 内閣委員会(政府提出「こども家庭庁設置法案」、立憲提出「子ども総合基本法案」ほか)
質問要旨
1.子ども政策に関する政府の基本認識
2.選択的夫婦別姓
3.幼保一元化
4.予算「倍増」と財源確保
(要求大臣等 野田大臣、赤池副大臣、加田大臣政務官、自民党法案提出者、立憲民主党法案提出者、政府参考人)
議事録
○本庄委員 立憲民主党の本庄知史です。
野田大臣とは今回初めて質疑をさせていただきます。実は、千葉八区、柏、我孫子で私当選をさせていただきました。出身は京都なんですが、父方が岐阜県で、大垣なんですけれども、以前より大変親近感を覚えておりました。また、自民党の加藤先生は岡山五区かと思うんですけれども、私の母方の実家が金光町にありまして、大変親近感を覚えております。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、議員に当選させていただく前は、岡田克也さんという議員の下で秘書をやっておりまして、野党時代の民主党の子供、子育て政策、あるいは、民主党政権時は、副総理の秘書官という立場で社会保障・税一体改革にも関わらせていただきました。子供も、中学生、小学生、二人おりまして、大変、子供、子育て政策、関心を持って取組をさせていただいております。
そういう前提で、これから少し質疑をさせていただきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
まず、基本認識、基本理念についてお伺いをしたいというふうに思います。
立憲民主党の法案提出者、城井先生、立憲民主党は今回、子ども総合基本法案を提出しています。前身の旧民主党時代からチルドレンファーストを掲げて、子供、子育て政策を党の一丁目一番地の政策ということで位置づけてまいりました。改めて、立憲民主党が掲げるこのチルドレンファースト、この理念、基本的考え方について、端的に御説明をお願いいたします。
○城井議員 お答え申し上げます。
令和二年の調査によりますと、児童虐待の相談数、児童生徒の自殺、小中学校の不登校児童数はいずれも過去最多となり、子供を取り巻く環境はより厳しさが増しています。こうした問題を考える上で基本となる理念がチルドレンファースト、すなわち、全てにおいて子供を第一として考えるという理念です。
立憲民主党では、子どもの権利条約にのっとり、子供の最善の利益を最優先するというチルドレンファーストの理念の下、子供、子育て政策を進めるべきだと考えています。
そこで、今回我々から提出した子ども総合基本法案に、子供の最善の利益が図られ、その人権が保障され、及び社会全体で子供の成長を支援する社会を実現するため、児童の権利に関する条約の理念にのっとり、施策を進めていくことと明記をいたしました。
○本庄委員 ありがとうございます。
この立憲民主党のチルドレンファーストという考え方に対して、政府・与党は、今回、こどもまんなか社会を掲げておられます。このこどもまんなか社会について、岸田総理が四月十九日の本会議で、常に子供の最善の利益を第一に考え、子供に関する取組、政策が我が国社会の真ん中に据えられる社会と説明した上で、立憲民主党の考えとも基本的に同じ方向だ、こういうふうに答弁をされております。これは野田大臣も同じ御認識、つまり、こどもまんなか社会とチルドレンファーストは同じ方向だ、こういう御認識でしょうか。
○野田国務大臣 岸田総理と同じでございます。
○本庄委員 ありがとうございます。私も同じ方向だというふうに思いますし、そうであると信じたいというふうに思っております。
このチルドレンファーストという私たちの理念、政策、これは、もう十年以上前から、民主党政権のときから掲げているもの、政権時に閣議決定した、例えば子ども・子育てビジョンということで、お手元の配付資料の中にも、少し古い資料にはなりますが、資料1ということで、子供が主役、チルドレンファーストということで、当初から掲げさせていただいております。
他方で、当時の自民党がどういう主張をされていたのかということです。お手元の資料の2を御覧いただきたいんですが、雑誌の「WiLL」二〇一〇年七月号の抜粋です。「「創生日本」大座談会」ということで、安倍元総理、そして今回の与党法案提出者の加藤先生らが対談をされています。この中で、傍線を引っ張ってありますが、安倍元総理が、子ども手当について、民主党が目指しているのは、子育てを家族から奪い去り、国家や社会が行う子育ての国家化、社会化です、これは実際にポル・ポトやスターリンが行おうとしていたことです、このようにお述べになっています。
この座談会、加藤議員も御一緒されていましたが、これは当時の自民党の子ども手当に対する考え方だという理解でよろしいんでしょうか。
○加藤(勝)議員 このとき、座談会的な形でこれはたしかまとめられたというふうに認識をしておりますので、ここはまさに安倍、まだ総理と総理の間のときですけれども、あのときの発言ということで、それに対して私自身が何か、一政治家としての発言ですから、コメントする立場ではありませんが、ただ、この頃のときを思い出すと、やはり、子育ては社会がするか家族がするか、ややそういった議論がなされて、結果的に、子ども手当の中で最終的に決着をした。
そして、今回の法案、私たちが出させていただいている法案においては、まさに児童の権利条約の中で、例えば、児童の養育及び発達については父母が共同の責任を負う云々という条約、また、それを踏まえて、法案の中では、「こどもの養育については、家庭を基本として行われ、父母その他の保護者が第一義的責任を有するとの認識」、そういった整理をさせていただいているということではあります。
○本庄委員 ありがとうございます。
当時の民主党も、今お配りした資料1にもありますが、「社会全体で子育てを支える」という言い方はしていますが、社会や国が子育てをするというふうには言っておりません。したがって、当時の安倍総理の発言はかなり度を超えたものだったと私は思いますし、今、一議員の御発言だということで、否定をされなかったのは大変残念だなというふうに思いました。
実は、この発言に関しては、その後、安倍氏が総理大臣に返り咲いた後、平成二十八年二月、衆議院の予算委員会で、当時の岡田克也民主党代表が発言を撤回するように求めました。ですが、安倍総理、御答弁の中でこれを拒否をしたということです。
したがって、一議員の発言ではなくて、一国の総理の発言とも取られかねない、そういう状況ですが、野田大臣、政府として、この発言、否定された方がいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○野田国務大臣 御指摘の安倍元総理の発言、これは過去の一議員としてのものであり、その趣旨についてお答えすることは困難ですが、あえて言うならば、子育てにおいて家庭が大事だという趣旨の発言ではないかと私は考えました。
いずれにしても、当時の子ども手当について様々な議論があって、民主党、自民党、公明党の三党合意に基づいて平成二十四年に児童手当法が改正され、改正法の中身は、目的規定に記載されたとおり、児童手当は、父母その他の保護者が子育てについての一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とするというのが基本的認識ということになります。
○本庄委員 一議員の発言だったんですが、国会で撤回を求められてそれを拒否をしたということをもって、単なる一議員の発言ではなくなっているんじゃないでしょうかというのが私の問題意識で、お伺いをしたんですが、時間の関係もありますので、そうであれば、今の副大臣、赤池副大臣に関してお尋ねをしたいと思います。
こども庁に関する赤池副大臣の御認識なんですが、お配りした資料3ですね、これは赤池副大臣のオフィシャルブログということで、いろいろなことが書かれているんです。
二〇二一年五月五日、「五月五日はこどもの日 こども庁設置ありきではなく家族支援政策の充実を」というタイトルで、下線を引いているところですね、内閣府と厚労省、文科省の縦割り行政になっているから、それを打破するためにこども庁を設置すればよいという単純な話ではない、内閣府自体が縦割り行政を打破するための中央官庁であり、そこに設置された会議を統合し強化すれば済む話だ、こういうふうにおっしゃっています。
今回のこども家庭庁、提出の趣旨の一つは、三つに分かれている役所の行政を一元化していくということもあるという中で、この過去の副大臣の御発言はかなり認識にずれがあるんじゃないのかなと思いますが、御答弁をお願いします。
○赤池副大臣 委員の御質問にお答えをいたします。
御指摘のブログの記述については、私が副大臣就任前の一政治家としての考え方を申し述べたものであります。
当時、現場の声は、組織改編だけされても、現場の支援、安定財源の確保を含めて、それだけでは我々は大変だ、そういう様々な声を我々もいただき、そして、自民党内もいろいろな議論で活発化、自由闊達に議論をしているさなかの私の発言でございます。
そういった様々な立場、考え方、議論がある中で、御承知のとおり、昨年、自民党も一つに提案をまとめ、そして、それを受けて、政府としても、十二月に、こども政策の新たな推進体制に関する基本方針を閣議決定し、そのときは私は副大臣ですから、この過程にもしっかり関わらせていただいて、そのまとめにも関わらせていただいた次第でございます。
私としては、閣議決定した基本方針の下で、そしてそれに基づいた今回のこども家庭庁設置法について、野田大臣を支えて、しっかり推進してまいりたいと存じます。
○本庄委員 一議員としては立場、考え方を変えて、副大臣として今業務に取り組んでいる、こういうことでしょうか。
そうであれば、是非このブログに今の御見解を上書きされたらいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょう、副大臣。
○赤池副大臣 委員にお答えをいたします。
我が国は、自由で開かれた選挙を通じて、我々は国民代表として選ばれてこの場所におります。いろいろな声を選挙区で様々な方からいただいて、それを政党という中で徹底的に議論をして政策を立案をいたします。その過程で、いろいろな議論、いろいろな考え方を述べたものであります。
ただ、一度決まれば自民党は一体となって推進し、そして議院内閣制の下で政権を支えて具体的に実行していく、その過程を、こうやって書いたことが今とは矛盾しているとは思いませんし、閣議決定以降、私は、こども家庭庁設置云々、内容について否定的な発言をしたことはございません。
○本庄委員 政党人ですから、個人の考えがいろいろあっても、党で決まれば、内閣で決まればそれに従うということですね。
じゃ、もう一つお伺いします。
赤池副大臣、こういうふうにもおっしゃっています、五月五日ですね。子供の問題は結局家族の問題だと。
もちろん家族の問題ですけれども、今回のこどもまんなか社会というのは、それを超えて、社会や行政が子育て、子供をしっかりと見ていく、それがこどもまんなかの理念だと私は理解をしておりますが、結局家族の問題なんですか、副大臣。
○赤池副大臣 委員にお答えをいたします。
家族、家庭というのは、先ほど野田大臣が前の議員の方の中で、今回の法案もそうですけれども、具体的に法律婚とか血族のみをもって家庭、家族という形では言っておりません。
ただ、いろいろな方々の中で、当然、問題のある方々、家庭というのはたくさんありますので、それを抜きにして、子ども権利条約の前文や条文にも書いてあるとおり、それを抜きにして議論はできない。そういう意味での趣旨でブログに書かさせていただいたわけであり、現在の設置法や政府の方針に反したものとは考えておりません。
○本庄委員 赤池副大臣は、このブログの中で、もう一つおっしゃっていますね。家族というのは国家の基本単位だと。二ページ目ですね、三月五日、二〇二一年。
家族は国家の基本単位なんですか。
○赤池副大臣 委員にお答えをいたします。
表現ぶりは正しくはないんですが、最高裁の判決の中で、夫婦別氏始め、家族法制の最高裁の判決の中で、社会の基本的な単位とか、そういう表現がございますので、それを私の中ではそのような表現としてさせていただいたということでございます。
○本庄委員 社会と国家はまた違うんじゃないかと私は思いますし、こどもまんなか社会、基本理念と、この御指摘、ブログの記述、一致をしないというふうに思います。
じゃ、更にちょっとお尋ねしたいと思います。選択的夫婦別姓の問題ですね。
内閣府の家族法制に関する世論調査、これが三月二十五日に公表されております。ここで三択ありまして、夫婦同姓制度を維持した方がよい、二七%、夫婦同姓制度を維持した上で旧姓の通称使用について法制度を設けた方がよい、四二%、選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい、二八・九、こういうことです。
この調査について、野田大臣は、通称使用の法制度という実態がないことが設問になったことに疑問を感じている、無責任だ、あるいは、国民にとって非常に分かりづらい、こういう発言をされております。
一方で、法務省の古川大臣、設問自体全く問題がない、こういうふうに御答弁を、記者会見で御発言をされています。
副大臣にお伺いする前に、ちょっと先に法務省にお伺いしますが、政府内で旧姓の通称使用についての法制度を設けるということは検討されているんでしょうか。検討もしていない選択肢が入っているとすれば、全く問題がないという大臣の答弁、発言はおかしいんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。政務官ですね、済みません。
○加田大臣政務官 本庄委員の質問にお答え申し上げます。
旧姓の通称使用の法制化を目指すのかどうかという質疑でありますけれども、今回の世論調査の結果をいろいろ受けましても、夫婦の氏の在り方についていまだに国民の間で様々な意見があると受け止めております。
夫婦の氏に関する制度は広く国民全体に影響を与えるものでありまして、今後の国民各層の意見や国会における議論の動向等を注視しながら、更なる検討を進めていく必要があると考えております。
○本庄委員 そんな一般論をお聞きしているのではなくて、いいですか、旧姓の通称使用についての法制度を設けるということを今どこかで検討しているんでしょうか、検討していないものが選択肢に入ったとすればおかしいんじゃないですかということをお伺いしています。
○加田大臣政務官 お答え申し上げます。
先ほどの、一般論と言われましたけれども、その部分の方も話した上で、法務省としまして、現段階で旧姓の通称使用について法制度化を目指すことをしているわけではありません。
○本庄委員 その上で、赤池副大臣にお伺いをしたいと思います。
お配りした資料3、ブログの中で、この世論調査について、これは一議員ではなくて、副大臣になった後の御発言です。
前回までの質問内容が長く回りくどい表現で分かりにくく、今回は分かりやすく表現に改め、すっきりして選択しやすいものになっており、国民意識に沿った現実的なものだと思います、最新の世論調査の結果に沿って、夫婦同氏制度を維持しつつ、通称拡大のために引き続き力を尽くしていきたい、こういうコメントです。
現役副大臣としてのコメントですが、副大臣は旧姓の通称使用についての法制度を目指していらっしゃるんですか。
○赤池副大臣 委員にお答えをいたします。
御指摘のブログに書いたものは、私の一国会議員としての見解であります。
政府の一員である内閣府副大臣として、第五次男女共同参画基本計画に沿って更なる検討を進め、国民の理解を得るよう努めてまいります。
なお、第五次男女共同参画基本計画をまとめるまでには自民党内において本当に様々な意見があり、正式な会議で四回、長時間の激論が交わされて、まとめさせていただいたものであります。
そして、基本計画においては、引き続き旧姓の通称使用の拡大やその周知に取り組むとされておりまして、男女共同参画局が中心となって、今現在、国家資格が三百二あるんですけれども、この通称拡大ができないかということで、ほぼ全て通称拡大が可能となっております。
そして、選択的夫婦別氏制度が導入された場合は、別氏を選択した夫婦の子供は必ず一方の親の氏、親子別氏になるということもございますので、第五次共同参画基本計画においては、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえて、更なる検討を進めるというふうに書いてあります。
今回の世論調査は、法務省さんが作っていただいて、内閣府で社会調査をした結果を踏まえて、その結果を踏まえて私が見解をブログに書かさせていただいたものであり、政府の基本計画に逸脱するものとは認識しておりません。
○本庄委員 副大臣が、個人の見解とはいえ全く真逆のことを書いている、言っているというのは、職務遂行上いかがなものなんでしょうか。副大臣として私は不適任だというふうに思います。
いいですか、いや、答弁は求めていません。上司の野田大臣は、通称使用の法制度という実態がないことが設問になったことを疑問に感じている、無責任だ、ここまでおっしゃっているわけですね。私もそう思っています。副大臣は部下だと思うんですけれども、その副大臣が全く反対のことを、個人的見解だといって書いていいんですか。一体どうなっているんでしょう、この縦のライン。
副大臣、まず端的に答えてください。
○赤池副大臣 先ほども申し述べましたとおり、政府の決定は、第五次共同参画基本計画の文言であります。その文言の中には、通称使用の拡大、周知徹底、それから、夫婦の氏に関する問題に関しては、国民各層の意見、そして司法の判断も踏まえて、更なる検討を進める、これが政府の決定です。
私の見解は、この政府の基本計画から逸脱したものとは考えておりません。
○本庄委員 副大臣、よく聞いてください。通称使用の拡大を否定しているわけではありません。法制度を整備するということについてお伺いしております。そういう方向で頑張るということですか。
○赤池副大臣 この通称拡大に関しては、法務省さんの御見解のとおり、法務省でも検討もしておりませんし、内閣府でも検討しておりません。
○本庄委員 そうであれば、一体何を頑張るのか。ちょっと、このブログに書いてあることが、私、よく分かりません。
大臣、上司として、どうでしょう、ちょっと口を慎むように副大臣に御指導された方がいいんじゃないでしょうか。いかがでしょう、少なくとも副大臣の間だけはですね。
○野田国務大臣 私は、長いことこの選択的夫婦別姓に取り組んでいるので、私がちょうど初当選の頃は、自民党内では九割以上反対、そもそも、通称であっても夫婦が別々の名字になるのはいかがわしい、だらしない、様々なことを言われたときがございました。それで、いろいろな議論を重ねる中で、おおむね党内でも、ばらばらの名字を名のることはいいところまで来て、実は、平成八年の答申では、基本的には選択的夫婦別氏に持っていこうと。ただ、やはり、現実社会の中で、それをやるといろいろ差し障りがある、それを待つまでには差し障りがあるということで、暫定的に通称使用を認めて、デファクトみたいな形、法律ではないんだけれども、社会活動の中で、会社とかそういうところでは旧姓を使っていいよとかいう、そのムーブメントを起こしてきたのも事実なんです。
ただ、おっしゃるとおり、法務省でも法制審議会でも通称使用の法制度というのは最初から考えていないし、今も考えていないということが肝なんだと思いますね。私はそれを大臣に申し上げたんですけれども、世論調査を作るに当たっても、多様な意見をやはりのみ込んでいかなきゃいけない。そもそも、平成八年の最初の世論調査の中に、誰もが想定していなかった通称制度というのが入っているわけですね。それも、何らかの、国民の代表たる国会の中での意見を取り入れてということであったかと思います。
ですから、今回も、私はそこを指摘したんですけれども、あとは法務省が担うことですから、一〇〇%満足はしていませんけれども、今のやり取りのとおりでございます。
○本庄委員 大臣の苦しい胸のうちもかいま見えるような気がいたしますが、閣内不一致とまでは言いませんけれども、せめて、大臣、副大臣のラインはしっかりと整理してもらいたいですね。(野田国務大臣「ごめんなさい、言い忘れちゃった」と呼ぶ)
じゃ、もう一度、大臣。
○野田国務大臣 確かに、今、物事が進みつつある中で、決定して、それに反することは許されないんですけれども、やはり対話の中で、自民党も、みんな同じでは気持ち悪いですね。いろいろな意見がぶつかり合って初めて、最善の策をつくっていきたいということで、一議員としても尊敬していますし、私が不在のときもずっと私の任を担っていただいておりまして、関係は良好であります。
ただ、いろいろな、様々な議論を自民党が集めてきているという理解で私は受け止めているので、不一致とかいう、そういうぎりぎりの話ではなく、当然、政治の中にはそういうことがないと駄目なんですね。みんないろいろなことを、同じことを言っていちゃ駄目なので、様々な意見を吸い上げていく過程のやり取りだと受け止めていただければと思います。
○本庄委員 政府の中の話ですからね。党の中でもないし個人でもない。自由闊達に好き放題物を言っていいというわけではないと私は思います。
じゃ、選択的夫婦別姓についてもう一点だけ。
資料2、もう一度御覧ください。資料2の裏面ですね。安倍元総理の御発言、また御紹介をしたいと思います。横線を引いてあるところ、「夫婦別姓は家族の解体を意味します。家族の解体が最終目標であって、家族から解放されなければ人間として自由になれないという、左翼的かつ共産主義のドグマ。」、こういうことをおっしゃっています。
野党時代の一議員の御発言だと恐らくおっしゃるだろうと思いますが、これも実は予算委員会で取り上げられておりまして、平成二十八年二月、これも岡田さんですけれども、発言の撤回を求めたときの安倍総理の答弁、家族の価値を重視する保守党としての自民党の考え方を述べたものであろうと、総理大臣として御答弁されているんですね、夫婦別姓が家族の解体を目指すということについて。
これは自民党の考えなんでしょうか。自民党法案提出者、御答弁をお願いします。
○加藤(勝)議員 基本的に、先ほどの発言と一緒でありますので、これは明らかに、安倍当時の総理、特に御指摘の点については、政治家としての御判断をお話をされているんじゃないかというふうに思います。
ただ、御指摘の点について申し上げると、さっき赤池副大臣からありました第五次男女共同参画基本計画、この中においても、「また家族の一体感、子供への影響や最善の利益を考える視点も十分に考慮し、」、こうした指摘もなされているわけでありますから、まさに、この議論に関しては、多様な観点から、また多様な意見もあるわけでありますので、そうしたものをしっかりと積み重ねながら議論をしていくこと、また結論を得ていくことが大事だというふうに思います。
○本庄委員 国会で、総理大臣そして総裁が、自民党の考え方を述べたものだ、こういうふうに明言されているわけですね。一議員の発言だというふうには言えないと思います。
時間が来たので終わりますが、今回の大臣とそして副大臣の夫婦別氏制度それから世論調査に対する考え方のそご、非常に問題があるというふうに思いました。
委員長、是非これは理事会でしっかりと整理をしていただきたいと思いますので、御協議をお願いいたします。
○上野委員長 後刻、理事会で協議いたします。
○本庄委員 ありがとうございました。次は、政策の議論をさせてください。