かわら版Vol.33「vs岸田総理、予算委第3R」
11月21日の補正予算審議で、岸田総理と3度目の直接対決。NHK中継もあり、多くの反響がありました。今回の質疑は、旧統一教会の被害者救済問題を中心に、自民党5派閥の裏金問題、官房機密費によるIOC(国際オリンピック委員会)委員への贈答問題についても追及しました。
■旧統一教会の被害者救済問題
今年10月、政府が旧統一教会の解散命令請求を裁判所に申し立てました。現在、その審理が行われていますが、次の焦点は、教団による被害者への賠償がどこまで実現できるか、にあります。そのためには、教団の財産が流出したり、隠されたりすることがあってはなりません。
しかし、解散命令が確定していない現段階では、教団が財産を処分することは自由です。財産目録の提出などの報告義務はありますが、そのペナルティは10万円の過料のみで、何の歯止めにもなりません。
このため、立憲民主党は「旧統一教会財産保全法案」を国会に提出しました。裁判所の判断で、教団の財産を一時的に差し押さえができるという法案です。
自民党と公明党は、「財産保全は信教の自由や財産権を侵害し、憲法違反」であり、反対との立場ですが、被害者救済のために、一時的に教団の財産を差し押さえても、憲法違反にはあたらないというのが多くの専門家の意見です。
私は岸田総理に、立憲案に賛同し、自民党内をまとめるよう求めましたが、総理の答弁は「与野党の議論を見守る」というものでした。まるで傍観者のような岸田総理、腰の引けた自民党の対応を見ていると、旧統一教会との関係は今も切れていないと考えざるを得ません。
■「爆上がり」の補正予算
今回成立した補正予算は総額13兆円、来年度の定額減税も含めると17兆円規模となります。しかし、物価高対策の2.7兆円を除けば、必要性も緊急性も乏しく、完全なるバラマキです。しかも、財源はほとんど全て新たな借金です。経済対策としても、次世代への責任という意味でも、とても賛同できる代物ではありません。
特に基金は問題です。今回の補正予算でも、31基金に4.3兆円もの予算が計上されました。例えば、「宇宙戦略基金」には3,000億円が計上されました。しかし、もともと関係府省が来年度要求していた予算は101億円でした。
あるいは、公立学校のタブレット更新のための「GIGAスクール構想加速化基金」は、来年度149億円の要求が、補正予算では2,643億円となりました。まさに予算「爆上がり」の補正なのです。
立憲民主党は、予算の組み替えを提案しました。政府案の半分程度、総額7.6兆円のコンパクトな規模、財源として新たな借金に頼らない、そして、インフレ手当やガソリン減税など即効性のある政策に絞るという内容でした。
数の力で実現しませんでしたが、経済界やマスコミからも立憲案のほうが優れているとの評価がありました。本当に残念です。
■日本衰亡の危機で問われる真価
今回の予算委員会で見えたことは、バラマキ予算、旧統一教会、政治とカネといった「悪弊」が、今なお根深く残る自民党の姿です。それは、10年を超える「一強政治」の中で、さらに増幅し、深刻化しています。今こそ政治を変えなければ、失われた30年どころか、取り返しのつかない50年となることは確実です。そして、この日本衰亡の危機にあって、私たち立憲民主党もまた、歴史的真価を問われています。
2023年12月1日