4/5 内閣委員会「討論」(重要経済安保情報保護・活用法案)
質問要旨
■基本認識
■政府案の評価
■法案審議を通じて明らかとなった問題点や課題
■立憲民主党他5会派の修正案
議事録
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました両案及び両修正案について、立憲民主党他5会派提出の修正案に賛成、国民民主党提出の修正案に反対、そして、政府提出の両案に賛成の立場から討論をいたします。
■基本認識
厳しさを増す安全保障環境、激しい国際競争の中で、我が国にとっても、経済安全保障の重要性は日に日に高まっています。こうした認識のもと、2年前、立憲民主党も賛成して、経済安全保障推進法が成立しました。その際、我が党主導で附帯決議に盛り込まれたのが、セキュリティ・クリアランス制度の導入でした。
■政府案の評価
こうした経緯を踏まえ、今国会、政府が提出した法案は、重要物資のサプライチェーンや重要インフラの提供体制など我が国の重要経済基盤に関する機微情報を、一定の要件のもとで重要経済安保情報と位置付けて保護するとともに、クリアランスを取得した民間企業やその従業員がこれを利活用することで、我が国の経済安全保障の確保と経済活性化の両立を図るというものです。
セキュリティ・クリアランス制度は、G7各国はじめ多くの先進諸国で導入されています。我が国においても、経済界を中心に、国際標準の制度創設を求める声が寄せられてきました。経済安全保障の核心部分は安全保障と経済のバランスであり、今回の法案では、重要経済安保情報の保護と利活用のバランスが肝です。その観点からは、一定の評価ができるものといえます。
■法案審議を通じて明らかとなった問題点や課題
他方で、法案の問題点や課題も、審議を通じて明らかとなりました。例えば、制度設計の詳細が今後整備される政令や運用基準に委ねられていることや、罰則の整合性、重要経済安保情報の指定件数やクリアランス対象者数の見込み、新設される一元的な調査の実施体制などは、なお不明点が残ります。
また、特定秘密保護法とシームレスな運用を目指すとしながら、実際にはツギハギ、デコボコの制度となっていることも否めません。特定秘密保護法の施行10年間の検証や総括含め、秘密保全制度全体の今後の検討、改善が求められます。
■立憲民主党他5会派の修正案
以上のような評価と問題意識の上で、立憲民主党は他の5会派と共同で、政府案に対する修正案を提出しました。その内容は、国会による監視と政府部内の監視をダブルチェックで機能させることで、ブラックボックス化しがちな秘密保全制度の適正な運用を担保しつつ、民間企業による経済安保情報の利活用を後押ししていくものです。
是非、委員各位の御賛同をお願い申し上げるともに、政府にはその趣旨を十分にご理解いただきたい旨申し上げ、私の討論を終わります。