かわら版

かわら版Vol.42「逃げの一手」

■違憲疑いの解散予告

10月1日、臨時国会が召集され、衆参本会議で自民党の石破茂総裁が総理大臣に指名されました。

これに先立つ9月30日、石破総裁は記者会見で「10月9日衆院解散、27日投開票」と表明しました。

予告とはいえ、まだ総理でもない人物が解散の日時を口にするというのは明らかに越権で、憲法違反の疑いすらあります。ここにも自民党一強のおごり、横暴が見て取れます。

■石破総理の「変節」

石破氏は、総理や閣僚が予算委員会で議論し、政策や方針を明らかにしてから解散すべきだと、総裁選でも言明してきました。

しかし、総理・総裁になった途端、通例3日間の衆参代表質問を2日間に短縮し、計30~40時間ほど議論する予算委員会ではなく、1時間にも満たない党首討論でお茶を濁そうとしています。

「物申す」「筋を通す」と評された石破氏は、早くも「変節」してしまったのでしょうか。それとも、そもそも偽りの看板だったのでしょうか。いずれにせよ、極めて残念です。

■能登半島も党利党略優先

党利党略優先で、能登半島の復旧・復興も後回しです。

元日の地震から、岸田政権は補正予算を国会で成立させることなく、政府が都合良く使い道を決められる予備費で、場当たり的な対応を続けてきました。

これに、先月の豪雨災害が追い打ちをかけています。にもかかわらず、石破政権でも変わらないということです。批判を通り越して、怒りが込み上げてきます。

■「パンドラの箱」と「ジェンガ」

総裁選で、石破氏が賛成としていた選択的夫婦別姓は、公明党が求めたにもかかわらず、自公連立合意から外れました。解散前に議論を詰めると、自民党内が大モメになるからです。

自民党の2つのヤミ、すなわち、裏金問題と旧統一教会問題の真相解明も、たなざらしのままです。指一本触れることができない「パンドラの箱」と言ったほうが正解かもしれません。

他方で、金融所得課税や法人税の強化は、慌てて引っ込めたにもかかわらず、株価は大幅に下がっています。皮肉なことに、経済音痴と市場に見透かされているかのようです。

石破政権は、高く積み上がった「ジェンガ」(積み木のバランスゲーム)のごとく、支持率をいささかでも崩しかねないリスクは決して取らない、「逃げの一手」であることがはっきりしました。

■政治を国民の手に取り戻す

しかし、いくら理不尽、不合理な解散・総選挙でも、我々は受けて立たねばなりません。

言うまでもなく、政治は自民党や権力者のものではありません。来たる総選挙は、その政治を国民の手に取り戻す選挙でもあります。

私たち立憲民主党は野田代表を先頭に、本気の政治改革、分厚い中間所得層の復活、教育無償化といった政策を訴え、必ず勝利します。

間もなく、号砲が鳴ります。

2024年10月1日