国会質問アーカイブ

12/12 予算委員会(補正予算)石破総理出席、NHK中継

本庄さとしYouTube
委員会提出資料PDF

質問要旨

1.会計検査院2022年度決算検査報告

2.補正予算のあり方

 ※12月10日本委員会の総理答弁を踏まえて

3.基金、特に宇宙戦略基金

 ※基金の検証結果の提出

 ※本年度末支出見込み(計300億円)が管理費であることを城内大臣に確認

4.AI・半導体産業基盤強化フレーム

 ※基金等の国庫返納金(1.3兆円)を中心に

5.自公国3党合意と今後の財政運営

要求大臣  総理、宇宙、経済産業

配付資料  あり

パネル   あり

議事録

○安住委員長 この際、本庄知史君から関連質疑の申出があります。城井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。本庄知史君。
○本庄委員 立憲民主党の本庄知史です。
おととい、総理と三十分議論させていただいたばかりで、こんなに早くまた機会をいただけるとは思っておりませんが、今日もよろしくお願いいたします。
時間がちょっと限られているので、通告したものの中で、まず基金の部分から入りたいと思います。
総理、一昨日の予算委員会で、私どもが要求しました宇宙基金の成果の検証、この結果がいまだに提出されていません、この委員会に。総理は、検証はしているというふうに明言されたわけですね。検証されているのなら、今すぐ出していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○石破内閣総理大臣 必要に応じて、また担当大臣からお答えを申し上げます。
その議論はよく覚えております。宇宙戦略基金につきましては、令和五年度の補正予算で設置したばかりのものでございます。この基金全体につきましての執行状況についての国会への報告、あるいは成果指標等に関します基金シートの作成、公表を通じまして、まだできたばかりのものでございますので、十分という御評価をいただけるかどうか分かりませんが、私どもとしてできる限りの検証というのは行っております。
やはり、できたばかりのものでございますので、検証するということについて十分御納得がいただけますよう、これから先、努力をいたしてまいります。
○本庄委員 総理、今回積み増すに当たって、昨年度分の三千億、成果の検証はあったのかという重徳議員の問いに対して、検証はしているというふうにおっしゃったんです。だから、出してくださいと言っているんです。今やっているとか、これからやるという話じゃないんですね。ちゃんと答えてください。
○城内国務大臣 本庄委員にお答えいたします。
今総理から御答弁があったように、執行状況については十一月ですけれども国会報告が出されておりますし、また、基金シートの作成をいたしまして国民の皆様に九月に公表して、検証をしっかり行っているということであります。
さらに、成果目標の達成状況を厳格に確認するために、JAXAにおきまして、技術開発や事業化の進捗状況について、ステージゲート評価等を活用しながら、確認、検証を行う仕組みも設けているところでございます。
仮に、令和五年度補正予算により実施するテーマについて更なる予算措置を検討する場合は、この確認、検証を踏まえて、いわゆる基金ルールにのっとってしっかりと検討を行うことになるというふうに考えております。
○本庄委員 仕組みの話を聞いているんじゃないんですね。検証したのかと。したと言うので、結果を出してくださいと言っているんですよ。
パネルをまた出します。前回もお示ししましたが、百億円だった概算要求が三か月で三千億円になりました。これは今年もですけれども、去年もですね。去年は三千億ついています。前回の予算委員会で、私、この執行状況について政府参考人に確認をしましたが、三省合わせて三百億円、年度内に支出見込みだと。三千億円のうち三百億円、年度内支出見込み。ちょうど一〇%なんですが、この使途は何ですか、大臣。
○城内国務大臣 お答えいたします。
昨年度に補正予算措置されました三千億円を十年の事業期間で割りまして、その見込額として報告しているものであり、この中には事業費二百九十一億円、そして管理費、これはJAXAの基金執行部隊が、主に人件費あるいはビルの施設に充てるものでありますが、これが含まれております。
昨年度の補正予算措置分につきましては、既に全ての公募を済ませ、今年度中に全ての採択がなされる予定でございまして、順次支援が開始される予定でありまして、今月中にもJAXAが採択された各事業者等との契約を開始していくということでなっております。
○本庄委員 今の御答弁を聞けば、三百億の中身は管理費などであって、具体的に宇宙政策を進めていくための支出には使われていないというふうに私は理解しましたが、それでよろしいですか。
○城内国務大臣 事業費につきましては既に採択がほぼ終わっておりますので、これから順次契約が行われ、そして、それに基づいて順次執行を行われるというものであり、もちろん、当然速やかに執行に向けて取り組まれていくものと理解しております。
○本庄委員 分かりました。採択はされているが、まだ執行はされておらず、支出もされていない。つまり、言い方を変えれば、この三千億円の中でまだ一円も具体的に宇宙政策のためには使われていないということですよ。採択されていても、まだ使っていないんでしょう。そういう話を聞いているんじゃないです。まだ支出がされていないものをどうやって検証しているんですかということを伺っているんです。総理、いかがですか。(発言する者あり)
○安住委員長 御静粛に。
○城内国務大臣 繰り返しになりますけれども、これはもう採択はほぼ終わっておりまして……(本庄委員「検証を聞いているんです」と呼ぶ)これは、先ほど申しましたように、国会にも報告しておりますし、また、基金シートを国民の皆様に発表いたしておりますが、これからまさに執行に向かって取り組まれておりますので、その中で、今後、様々な形で検証が行われ、そして、基金ルールにのっとって三年目途にしっかりと成果検証がなされるというふうに理解しております。
○本庄委員 大臣自ら、現時点で検証していないとおっしゃっているんですよ。シートは検証ではありません。財務の状況などが書いてあるだけです。そして、今の話でいえば、事業費あるいは管理費で三百億円支出されています。あと二千七百億は、採択はされていますが、執行していない、支出はしていない、こういう状況じゃないですか。検証しようがないですよ。
私は、検証していないことが問題だと言っているのではなくて、検証していないのに、検証している、その結果がある、そしてそれに基づいて更にあと三千億出せ、こういう話が展開されているからおかしいんじゃないですかと言っているんです。総理、いかがですか。
○石破内閣総理大臣 それは、国会への報告あるいは基金シートというもので可能な限りの検証というものに私ども努めてきたところでございます。
基金というものの性質、そしてまた宇宙開発事業という厳しい国際競争、そしてまた保秘の必要性等々を考えましてこういう形になっておるわけでございまして、これを一つ一つ検証するということが、なかなか事柄の性質上難しい点はございます。また、基金というものもそういうものでございます。
ですから、私どもとして可能な限りの検証は行ってまいりますが、いろいろな事態に備えますための基金というものの性格上、こういう御説明ということに相なります。
○本庄委員 結局、検証なんかしていないんですよ、少なくとも現時点では。という中で、あと三千億出してくれという話が今行われているということなんですね。積めよ増やせよじゃ困るんですよ、積めよ増やせよじゃ。増やせばいいというものではないんですね。
総理、こういうふうにおっしゃいましたよ、一昨日。補正予算に依存するというのは、そもそも日本語として成り立たない、補正に頼ることなく、本予算で、きちんとした積算の下に、積み上げていく努力はしていかなければならないと。おっしゃるとおりですよ。
しかし、現状は明らかに補正予算依存じゃないですか。宇宙政策、国策なんでしょう。日本の将来を支える重大な産業なんでしょう。こんなつけ焼き刃の思いつきのように、アメリカでロケットが飛んだから三千億ですか。やめましょうよ、こういう予算の使い方。ちゃんと、補正じゃなくて、精査をして、本予算、もう三か月後ですから、そこで堂々と出してください。いかがですか、総理。
○石破内閣総理大臣 私は、予算というのは本来そうあるべきものだと思っておるので、補正というものが、法律に定められておりますように、予期せざる、つまり、当初予算を組みましたときに予期せざる事情というものをどう考えるか、緊要性というものをどう考えるかということでございます。ですから、本来、本予算でやるべきだというのは、総論としてそのとおりでございます。
緊要性というものが認められるかどうかということを考えたときに、私どもとして十分精査をした上でこの予算を提出しておるものでございますが、緊要性が認められない、そういうものについて、それは予算として上げるべきだと本来は考えておりません。今回はそのように認めたので、このように出しておるところでございます。
○本庄委員 財政法二十九条の考え方の問題なので、恐らく水かけ論だと思います。
ただ、そもそも、私、補正予算と基金というのはなじまないと思うんですよ。補正は緊要でしょう。そして、年度当初の予算では見通せなかったもの、ここに対応するというのが大原則ですね。基金の趣旨はどうですか。中長期的に、安定的、継続的に政策を進めていく、そのための原資じゃないですか。本来、矛盾しているんですよ、補正予算と基金というのは。だからこそ、私は、相当慎重に見ていかないといけないと。本当に必要なら、本予算できちっと積む。そもそも基金がいいかという議論はあるにしてもですよ。そのことを私は言っているんです。総理、いかがですか。
○石破内閣総理大臣 基金というのは、委員御指摘のように、柔軟に対応できる、そしてまた長期的に対応できるからこそ、基金というものを積んでおるわけでございます。
今回は、やはり宇宙開発というものの特性に鑑みまして、やはり長期的に考えていかざるを得ない、そして機動的に対応できるということが極めて重要だと思っております。むしろ、私としては、機動的に対応できるという点に重点を置いて、今回お願いをしておるものだと考えております。
○本庄委員 見解の不一致なのかもしれませんが、機動的なものが基金なのか、あるいは補正予算なのか、ここはなお議論が私は必要だと思います。
ちょっと、次に行きます。半導体なんですが、中身は基金の問題です。基金のでたらめについて、もう一つ。
今回の補正予算でも、今後のAI、半導体支援策として、AI・半導体産業基盤強化フレーム、これは一・五兆計上となっていますが、このうち一・三兆は、この下段ですね、経済産業省関連の幾つかの基金などから、国庫納付金、ここから一・三兆回す、財源確保する、こういうふうになっています。
この一・三兆の内訳は、コロナ禍で、信用保証、あるいは融資、あるいは給付金、あるいはマスクの生産などのために巨額の赤字国債も発行しつつ積み上げてきた基金の残りも含まれているんですね。
これが余ったからといって、そっくりそのまま経済産業省の半導体支援の予算になるということでは、これはもう流用以外の何物でもないと思うんですね。総理、いかがですか。
○武藤国務大臣 基金の流用について御質問をいただきました。
予算措置に基づき基金等に繰り入れた資金について、当該基金の目的以外の事業にそのまま活用するのは、もう委員よく御承知のとおりだと思います。
今、一・三兆円の話がございました。産業競争力の強化、また、それに向けた経済基盤の維持を目的として予算措置を行ってきたものであり、これらの執行残を一度国庫へ返納した上、AI、半導体分野への支援に活用することとしておりまして、これは流用には当たらないというふうに認識しております。
○石破内閣総理大臣 これは言葉の使い方の問題でございます。今経産大臣からお答えしましたように、一度国庫に返納しているという形でございます。ですから、それをそのまま流用したということには全く当たらないということでございまして、一般会計の税外収入として計上いたしました上で、AI、半導体支援の財源に充てるものでございます。
ですから、一回返しておりますので、流用という形には当たらないと考えております。
○本庄委員 それは詭弁で、じゃ、流用じゃなかったら、トンネルと言いましょうか。
これは財務省が作っているんですよ、こうやって、AI・半導体産業基盤強化のための内訳の基金、経済産業省分、一兆三千五十四億。これこそまさに積み上げですよ、総理、総理の言う。一回一般会計に入れているから流用じゃないというのは詭弁です。お金に色はついていません。
そして、今経産大臣がおっしゃったけれども、産業競争力の強化、経済基盤維持、それはそうでしょう、お題目は。でも、コロナだからつけた予算ですよ、特別な状況だから。その残り金で半導体をやるんですか。余りにもこそくだと私は思います。基金のロンダリングですよ。やめた方がいいと思います。総理、いかがですか。
○石破内閣総理大臣 繰り返しのお答えになって恐縮でございますが、これを流用ということは当たらないし、トンネルということも、ロンダリングということも当たらない。一度返した上で、本当にそれが必要であるかどうかという議論の上でこれをやっておるところでございます。
○本庄委員 平行線だと思います。私は、これは明確なトンネルだと、この財務省の資料が物語っていると思います。
最後に一問だけ。自公国三党合意と今後の財政運営について、総理に伺います。
昨日、三党で政策合意されまして、百三万円の壁を、百七十八万円を目指す、あるいは、ガソリンの暫定税率を廃止するということになりました。国民民主党さんの御努力は評価されるものだと思いますが、与野党逆転、少数与党となったことの成果だというふうに私は思います。
一方で、これによって税収が大きく減るということが間違いないと思うんですね。地方を含め、財源の確保、これは非常に課題です。一方で、来年度のプライマリーバランス黒字化目標、これは絶望的な状況になっていると思います。
総理に伺いますが、今後どのように、この三党合意に基づく歳入の減、これを確保をしつつ、財政健全化目標を達成するというふうに考えておられるんでしょうか。基本的な考え方を教えてください。
○安住委員長 時間が参っておりますので、最後に、手短に。
○石破内閣総理大臣 私どもとして、財政の健全性というもの、そしてまたプライマリーバランスの重要性ということはよく認識をいたしております。ですので、国民からいただいております税金の使い道として、これが本当に正しいかどうかという検証を常に行いながら、財政の健全性というものの重要性は決して忘れてはならないと思っております。いろいろな工夫が必要でございますので、更なる御議論を賜りたいと存じます。
○安住委員長 終わりにしてください。
○本庄委員 はい。
ますます、こういう補正予算は認められないと思います。
以上です。