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2/20 予算委員会(一般的質疑)

本庄さとしYouTube
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質問要旨

1. 昨今の治安・組織犯罪について
 ○ミャンマー拠点の犯罪組織
 ○違法オンラインカジノ規制

2. 予算修正案、特に財源確保について
 ○グローバル・スタートアップ・キャンパス基金
 ○宇宙戦略基金
 ○防衛装備移転円滑化基金

3. 防衛費と防衛財源について
 ○円安等に伴う防衛費の上振れ

要求大臣  官房、総務、財務、科学技術、宇宙

政府参考人 総務省、外務省、文科省、防衛省、警察庁、文化庁、内閣法制局

配付資料  あり

パネル   なし

議事録

○安住委員長 次に、本庄知史君。

○本庄委員 立憲民主党の本庄知史です。本日もよろしくお願いいたします。
  まず、昨今の治安、犯罪問題ということで、ミャンマー拠点の犯罪組織の件についてお伺いします。
  ミャンマーのカレン州、少数民族が押さえている、そして政府、軍政の力が及ばない地域で、中国系マフィアだと思われる犯罪集団が拠点を構えて、そして一万人以上の外国人を監禁し、日本を含む海外に対して詐欺電話などを行っている、こういう報道などが出ております。
  配付資料をお配りしておりますが、資料の一ですけれども、これはそのKKパークと言われる拠点の写真です。
  都市、町のような状況ですね。ここに一万人以上外国人が、拉致なのか、監禁なのか、されているということですね。報道あるいは支援団体の情報によれば、日本人も三十人以上、あるいはそれ以上いるという情報も伝えられています。
  そこで、政府にお伺いをしたいと思いますが、そのうちの千二百人がタイに引き渡されたという情報も今あります。監禁あるいは解放されている日本人の数、安否、あるいは犯罪組織の背景や活動の全容など、現時点において政府はどこまで実態を把握できているのか。これは外務省、そして警察庁から御説明をお願いします。

○岩本政府参考人 ただいま委員から御指摘のありました事案に関しまして、現時点で外務省が把握している日本人は、タイ警察により拘束された成人五名、そして保護された未成年者二名ということになっております。なお、このうち成人四名と未成年者二名は既に帰国しておりまして、残る成人一名は引き続きタイにおいて勾留中でございます。
  また、犯罪組織の背景、そして犯罪の概要については、現在、外務省としましても、関係国等から情報収集を行っているところでございます。今月十七日には、タイ政府と我が国を含む関係国等との間で会議も開催されまして、ここで情報共有を行いました。また、今後の連携等についても確認しているところでございます。

○谷政府参考人 お答えをいたします。
  今般、高校生二名がタイ当局によって無事保護されて日本に帰国したということでございまして、タイ国境近くのミャンマー国内の地域でございますけれども、政治的な情勢から、現地当局を通じての把握は必ずしも容易ではないところでございまして、警察としては、事件捜査における関係者の供述などを通じて状況把握に努めてございます。
  当該拠点につきましては、日本国内に対する詐欺の拠点になっている可能性があると見ておりますほか、ほかにも滞在している日本人がいるという可能性があると見ております。また、拠点の運営につきましては、様々な外国人犯罪組織が関与しており、高校生がオンラインゲームを通じて知り合った人物からタイへ出国することを誘われたことなどからも、日本人の関与もうかがわれるというふうに見ております。
  警察としては、外務省等とも連携しつつ、引き続き更なる実態把握に努めてまいりたいと思います。

○本庄委員 国外、しかもミャンマーという、なかなか直接やり取りのできない地域での犯罪ということで、全体解明が難しいということは私も一定理解します。
  しかし、解放された、保護された高校生のうちの一人はタイの大使館に相談をして帰ってきたというようなこともありました。私は、やはり日本政府としての取組が必ずしも十分ではないというふうに思うんですね。これは下手したら数十人、あるいは百人単位の日本人が一万人の中に含まれている可能性もあるし、そして、大規模に日本に対して犯罪行為が行われてきたという可能性もあるわけです。
  そこで、林長官、お伺いしたいんですけれども、外務省、警察庁、それぞれ努力はされていると思いますが、私は、もうちょっと政府として、官邸主導、あるいは官房長官や総理も中心になって、この案件についての実態把握や邦人保護、そして組織犯罪対策などに具体的に取り組んでいくべきだというふうに思います。
  現在、そして今後の取組について御説明をいただきたいと思います。

○林国務大臣 このミャンマーの事案でございますが、今、両省、外務省、警察庁から説明したように、タイを始めとする海外の捜査機関等と連携して、実態把握に努めてきております。その上で、拘束、又は保護された日本人の帰国等につきましては、在外公館を通じて適切に対応してきております。
  やはり、今御指摘があったように、ミャンマーはこういう状況でございますこともありまして、こうした国を始めとする海外において、日本人が関与する形で特殊詐欺の犯行拠点が摘発される事例が増えております。政府としては、関係国と連携して、引き続き取締り及び邦人保護を強化してまいりたいと思っております。
  それから、こうした海外での特殊詐欺等に日本人が加担させられるということがないように、注意喚起も一層強化してまいりたいと思っておりまして、そうしたことで、横串を刺して、政府を挙げてやってまいりたいと思っております。

○本庄委員 非常に抽象的な一般論だと思いますね。
  例えば、最近タイに入国したけれども連絡が取れなくなったような家族や友人はいませんかというような連絡ダイヤルを開設するとか、何らか具体的な方法で情報収集をする、日本自身として、タイと連携云々ではなくて。私はそういった努力も必要だというふうに思いますし、国民の皆さんに対する注意喚起も足りないと思いますね。
  官房長官、いかがですか。もう一度御答弁をお願いします。

○林国務大臣 今、両省、警察庁と外務省から説明をしたとおりでございますが、先ほど委員からも御提案もございましたので、そういうことも念頭に置きながら、注意喚起も含めて、これはやはり横串を刺していかなければならないと思っておりますので、一層、いろいろな意味で強化をしてまいりたいと思っております。

○本庄委員 ありがとうございます。
  こういった案件、元をただせば、クーデター後のミャンマーの不安定な政情、そこが根源にあるわけで、そういう意味では、こういった今起きていることへの対応ももちろん大事なんですけれども、ミャンマーの平和とか民主化、こういったことに対する根本的な取組もお願いしたいと思います。でないと、また地域、場所を変えて同じような事案が発生するというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
  続きまして、違法オンラインカジノの規制の問題について、今の話ともちょっとつながるんですけれども、お伺いをしたいと思います。
  まず、警察庁によれば、昨年、二〇二四年の違法オンラインカジノの摘発は二百七十九人、一昨年の百七人から二・六倍に大きく増えています。
  オンラインカジノの利用者数、日本国内で三百四十六万人、三百万人を超えている、こういった民間団体の推計もあります。最近は、卓球のオリンピック選手ですとか、あるいは吉本のタレントさんなど、有名人もいろいろな形でニュースになっているということですが、違法とは知らなかったというようなコメントも多く見受けられます。
  林長官とは、実は一年前の内閣委員会で、この問題について二十五分議論しました。残念ながら、議論した一年前よりも、状況はよくなるどころか悪くなっているというふうに思います。
  今のオンラインカジノをめぐる現状を官房長官はどういうふうにお考えになっていますか。官房長官はギャンブル等依存症対策本部長でもあります。この問題に対して総括的に責任を負う立場でもありますので、所見を伺いたいと思います。

○林国務大臣 まず申し上げなければいけないのは、オンラインカジノですが、海外において適法に運営されているものであっても、日本国内からこれを行うということは犯罪となる、これを徹底していきたいと思っております。
  我が国では、アクセス数の増加、依存症の問題等、今先生からもお話がありましたように指摘をされておるところでございますので、その対策は非常に重要な課題であると認識をしております。警察において、去年もやり取りさせていただきましたけれども、こうした状況を受けまして、警察における取締りを強化しておりまして、検挙件数の増加にはつながっておるわけでございます。
  そして、この問題、警察の取締りにとどまらず、やはり関係省庁が連携をして、先ほど申し上げましたけれども、オンラインカジノの違法性、これを周知すること、それからさらに、オンラインカジノへのアクセスや決済手段、これへの対策を併せて進めていく必要がある、そういうふうに認識をしております。

○本庄委員 お取組はされているんだと思いますが、やはり不十分だからこれだけ増えているし、三百万人を超える人たちがこれだけアクセスしてプレーしているという現状は看過できないと思うんです。
  官房長官は、今、アクセスの話をされました。アクセスをしない、遮断をするという意味で一番効果のあるのはサイトブロッキング、つまり見ることができない、これが一番だと言われていまして、海外ではこういった手法を取り入れている国もあります。
  一方で、日本では何年もこの議論が続いていて、総務省がいろいろな理由を並べては、できない、憲法上の支障があるなどなど述べているんですが、総務省政府参考人、今その検討状況はどうなっていますか、ブロッキングについて。

○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
  オンラインカジノの対策につきましては、総務省といたしましても極めて重要な課題であると認識しておりまして、オンラインカジノサイトへのアクセスを制限するサービスの普及、取組など、できるところから対策を講じているところでございます。
  御指摘のいわゆるサイトブロッキング一般につきましては、通信の秘密を侵す行為に当たりまして、これまでも様々な関係者から指摘がなされており、例えば、問題ない情報まで国民が閲覧できなくなる、いわゆるオーバーブロッキングを完全に回復することが技術的に困難であり、国民の知る権利を強く制約するおそれがあるなどの課題が指摘されているところでございます。
  現在、こうした課題を念頭に置きつつ、有識者から意見を伺うとともに、ブロッキングに関する諸外国の取組状況などにつきまして調査を行っているところでございまして、これらを踏まえまして、総務省としても、今後、何らかの検討の場を設けるなど、議論を進めていきたいと考えているところでございます。

○本庄委員 一年前も同じような答弁でした。そして、一年前に議論したときは、当時の河野大臣から指示があって着手しているということなので、もうかれこれ二年ですよ。いつ、その結論を出せるんですか。明確にしてください。

○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
  先ほども御答弁申し上げたとおり、様々な課題がありつつも、今委員御指摘のとおり、オンラインカジノに対する対策は急務となっております。
  そのような状況を踏まえまして、今、私どもの方も精力的にいろいろな方々の意見を聞いている段階でございまして、繰り返しになりますが、なるべく早い段階で何らかの検討の場を設けて、それで、有識者の意見を積み重ねながらこの問題に対する対策を進めていきたいと考えているところでございます。

○本庄委員 もう話にならないですね。違法行為、犯罪行為がこれだけ数年にわたって指摘をされ続けているのに、まだ検討の場すらつくっていないんですか。やる気がないという結論ですね。私はそのように捉えました。
  それで、いろいろな通信の秘密という話がありましたけれども、内閣法制局長官も答弁していますよ。憲法十二条、十三条の規定からして、公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度において一定の制約に服すべき場合があると。当然だと思いますよ、これは。野放しにしていいはずがありません。犯罪者や犯罪行為に通信の自由が認められるわけがないですね。
  そのことを指摘した上で、別の分野ですけれども、ブロッキングをしているという事例があります。児童ポルノです。
  資料の二を御覧いただきたいんですが、政府や行政がやっているわけではありませんけれども、民間団体などを介して情報収集をし、そして、違法な児童ポルノにアクセスできないようにするということが今も現に行われています。
  この内容について、簡単に、総務省、説明してください。

○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
  ブロッキングにつきましては、電気通信事業法における通信の秘密を侵害する行為でございますが、児童ポルノにつきましては、児童の権利に関する取り返しのつかない著しい侵害が既に発生しており、他の方法では十分に保護できない状況下におきましては違法性が阻却される、そういった整理の下、民間事業者の自主的な取組として開始され、現在も引き続き実施されているものと承知しております。

○本庄委員 私も曲がりなりに法学部を出て、多少憲法もかじりましたが、何が違うのか理解できませんでした。
  なぜ、児童ポルノはサイトブロッキングができて、そして、オンラインカジノはサイトブロッキングができないんですか。明確に答えてください。

○安住委員長 湯本総合通信基盤局長、簡潔に。

○湯本政府参考人 児童ポルノにおける法的な整理につきましては先ほど答弁申し上げたとおりでございますが、オンラインカジノにおきましては、こうした児童ポルノにおける整理も踏まえつつ、どのような考え方で整理すべきなのか検討する必要があると考えているところでございます。

○本庄委員 現状を聞いているんじゃなくて、考え方の違い、そして、児童ポルノができて通信の方ができないかもしれないと考えている根拠を教えてほしいんです。いかがですか。

○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどのちょっと繰り返しになりますが…… (本庄委員「違いを教えてください」と呼ぶ)現在、正直、オンラインカジノの対策につきましては、実際、諸外国でも取組が進んでいるところでございます。私どもとしましては、諸外国ではどのような考え方でブロッキングが可能になっているかというのを踏まえながら今整理しているところでございまして、今現在、その違いも含めて、どんなことかというのを有識者の方に聞いている段階でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。

○本庄委員 村上総務大臣、聞いておられたと思うんですね。通信の所管の担当大臣ですが、長年、犯罪行為に関わる問題で指摘を受けてきた。それがまだ、考えの整理もできていない、議論の場もつくられていない、もう二年も三年もたっている、いつできるか分からない。こういう状況じゃよくないと思うんですね。
  是非、大臣にきちっとリーダーシップを取っていただいて、そして、この問題、つまり、オンラインカジノについてサイトブロックも含めた強いアクセスの制限をかける、このことについて速やかに結論を出すというふうに答弁していただけませんか。

○村上国務大臣 本庄さんも法学部出身でいらっしゃるからよく分かると思うんですが、SNSの規制についても、なかなかやってみて難しいのは…… (発言する者あり)ちょっと黙って聞きなさい。違法性をどこでラインを引くかということなんですよね。
  それで、今、多分、局長が答弁しているのは、児童ポルノはもう完全に公序良俗違反だから、文句なしにやはりシャットアウトできるだろう。ただ、今回の、確かにオンラインカジノも違法性があるんだけれども、ただ、気をつけなきゃいけないのは、ほかの、全部をシャットダウンする危険性がある、だから、その危険性を排除しながらどうするかということを考えているんじゃないかと私は思いました。
  ただ、おっしゃるとおりなので、私も大臣になるまではこの問題について知らなかったので、早急に対応するように一生懸命努力させますので、御理解いただきたいと思います。
  以上です。

○本庄委員 結論を本当に出してもらいたいと思います。できないという結論もなくて、引き続き検討、調べますの状況が続いているんですね。是非よろしくお願いしたいと思います。
  官房長官、聞いておられたと思いますが、このオンラインカジノ対策は、今、ギャンブル等依存症対策推進基本計画の一部として、見直し作業が進められています。三月末にこの見直し、計画変更が出るというスケジュールで来ていますが、残念ながら、サイトブロッキングについては全く言及がないという状況で、このままだと、今後三年間、また何もしないという基本計画が続くということが懸念されるんですね。 是非、まだ間に合いますので、サイトブロッキングも含めた強いアクセス制限を検討する、対応していくんだということについて、もう一度しっかり議論していただけませんか。いかがでしょうか。

○林国務大臣 現在、先ほど申し上げました警察による取締りの強化に加えて、SNSなどを活用したオンラインカジノの違法性の周知、また、フィルタリングの導入等によるアクセス対策、それから決済事業者に対する要請、こういうものをそれぞれ推進しておりまして、今お話のありましたギャンブル依存症対策推進基本計画の変更案、今申し上げたような取組を新たに明記するということにしております。
  ブロッキングについては今御議論いただいたとおりでございますが、こうした今私が申し上げたような取組を着実に進めるということとしておりますが、引き続き、何が実効的なのかという対策、対策に対する検討、これを更に進められるように努力をしていきたいと思っております。

○本庄委員 しっかり答えを出していただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
  では、このテーマはここまでですので、総務大臣、ありがとうございました。

○安住委員長 総務大臣は退席して結構です。

○本庄委員 御退席ください。ありがとうございました。期待しております。
  さて、予算案修正の財源確保についてお伺いをしたいと思います。
  立憲民主党提出の予算修正案のフレーム、これは先ほど中島委員からも御説明がありましたけれども、私も配付資料としてお手元にお配りをしております。
  資料の四ですが、詳細は踏み込みませんが、責任ある政党として、増税や負担増なく、具体的な財源を確保した上で、国民の命と暮らしを守るために必要な新規政策を提案しています。
  今、政党間協議も行われていると承知しておりますが、是非、いいものはいいということで取り入れていただきたい、これは与党に対するお願いになるのかもしれませんが。そして、改むるにはばかることなかれだと思うんですね、お立場は分かりますが。是非、そういった柔軟な対応を期待したいと思います。
  その上で、私も取り上げましたグローバル・スタートアップ・キャンパス基金、このことについて、まずお伺いしたいと思います。
  これは二年連続、補正予算で計六百三十六億円を措置しておりますが、令和五年度、二〇二三年度末までの支出は二千四百七十万円にとどまっているという答弁が二月六日の予算委員会でありました。
  そこで、文科省にお伺いしますが、それ以降、つまり今年度ですね、支出額や、あるいは今年度末の残高見込みはどんな状況でしょうか。

○安住委員長 文部科学省井上科学技術・学術政策局長、簡潔に。

○井上政府参考人 お尋ねの基金につきまして、令和六年度は、人件費等に約一億三千万円を執行する見込みとなってございます。また、令和六年度末時点での本基金の残高は、約六百三十四億五千万円となる見込みでございます。

○本庄委員 実は、今年度の支出見込額は五十億だったんですね。それが一・三億ということです。
  結局、六百三十六のうち六百三十四億数千万まだ残っているという状況ですね。
  三年たっているんです、大臣。基金ルールは遡及はしないということは承知しています。ただ、財務大臣、前回こう答弁しているんですね。いわゆる基金ルールの趣旨も踏まえて、必要な場合には国庫返納を含めた対応を行う、基金の不断の見直し、これは大変大事なことだと。趣旨、そして不断の見直しなんですね。
  しゃくし定規に、基金三年ルールの枠を一ミリはみ出ているから対象外だとするのではなくて、実態を見て、そして、ちょうど今、予算の審議もしている最中なので、これはいろいろな予算対応が可能ですから、是非、この国庫返納に対して財務省として対応していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○加藤国務大臣 今お話がありましたように、執行状況、基金残高については承知をしております。
  事業を所管する内閣官房、文科省において責任を持って執行管理を行っていくことが重要でございますし、そうしたことも踏まえながら、私ども、先ほどおっしゃっていただいた、一般論として申し上げたところでありますけれども、基金ルールの趣旨、あるいは事業の中身、執行状況を精査し、基金を所管する大臣、行革大臣とも連携しながら、必要な場合には国庫返納を含めた対応を行う、不断の見直しを行っていく、こういう姿勢で引き続き対応していきたいと思っています。

○本庄委員 このキャンパス構想の責任者は、もちろん担当大臣は城内大臣ですけれども、決定した会議体の議長は官房長官です、統合イノベーション推進会議。
  これは三年間お金が全く使われず、事業も進んでいない、こういう中で三年たっています。決定機関の長として、この見直しについて是非大きな判断をしていただきたいと思いますが、官房長官、いかがですか。

○林国務大臣 イノベーションを進めるために、大学や企業など様々な主体がやはり密接に連携して、新たな価値を共創する基盤が必要である。イノベーションエコシステムを分野横断的に、国内に閉じない形で戦略的に形成することが重要でありまして、私が議長を務めております統合イノベーション戦略推進会議の場において、こうした世界の最高水準のイノベーションエコシステムのハブ、これを戦略的に構築するということで、グローバル・スタートアップ・キャンパス構想を検討しているところでございまして、昨年八月に基本方針を取りまとめて、更に具体的な検討を進めているところでございます。
  この基金の執行ですが、組織文化、そして制度が異なる海外機関との調整等に時間を要しているということは事実であると思いますが、運営法人の設立や関連施設の開所に先立って支出できるように基金を設置したものでありまして、基本方針を踏まえつつ、速やかな執行、着手に向けて検討を進めまして、この構想の実現に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。

○本庄委員 見せ金で積んだ金が、今や死に金になっているんですね。もう三年です。今、事業が遅れているというお話が若干ありましたが、遅れている理由は何なのかということですね。
  私、前回の質疑でも取り上げましたが、元MITメディアラボ所長で、今、推進室でエグゼクティブアドバイザーを務めておられる伊藤穣一さんの問題がネックになっているという話がある、そして、新藤大臣が訪米した際にMITからそういった指摘も受けている、こういう話がありますので、そのときの議事録を開示していただきたい、予算委員会に提出していただきたい、こういうふうにお願いをしておりますが、これはいまだに出てきていないんですね。
  城内大臣、一体どうなっているんでしょうか。

○城内国務大臣 お答えいたします。
  御指摘の文書につきましては、海外大学とのやり取りのため、相手方のある文書でございまして、また、第三者に対する言及等もございますので、慎重に確認を行っているところでございます。
  なお、伊藤穣一さんにつきましては、この方の経験や知見を踏まえて、あくまでもアドバイザーとして有益な助言をいただいているところでありまして、海外大学との交渉において同氏の存在が障壁になっているということはございませんので、民間人であるこの方の名誉をちょっと不当に傷つけるような報道等もございますが、それは誤解であるということを申し上げたいと思います。
  いずれにしましても、今申しましたように、相手方である海外大学とも、今現在、当該文書についての連絡を取り合っているところでございますので、速やかに確認を進めた上で、最終的に判断したいというふうに考えております。

○安住委員長 時間が参っていますので、まとめてください。

○本庄委員 議事録について開示できないということですが、国会では、そういった障害はないというふうに副大臣は答弁しました。そして、審議官は臆測だと答弁したんですね。もしその答弁が事実と反する、つまり、そういった発言がMIT側からあったとすれば、これは虚偽答弁になりますから。
  そのことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。