4/9 本会議「討論」(重要経済安保情報保護・活用法案、経済安全保障推進法改正案)
質問要旨
以下、本会議「討論」の主な発言内容
★「委員会提出資料」欄に、「修正案」をアップしています。
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1.基本認識
2.政府案の内容と評価
3.法案審議を通じて明らかとなった問題点や課題
4.立憲民主党の議員修正要求
5.経済安全保障推進法改正案
議事録
(基本認識)
厳しさを増す安全保障環境、激しい国際競争の中、我が国にとっても、経済安全保障の重要性は日に日に高まっています。
こうした認識のもと、2年前には、立憲民主党も賛成して、経済安全保障推進法が成立しました。その際、我が党主導で附帯決議に盛り込まれたのが、経済安保分野のセキュリティ・クリアランス制度の創設です。
(政府案の内容と評価)
こうした経緯を踏まえ、今国会、政府が提出した重要経済安保情報保護・活用法案は、重要物資のサプライチェーンや基幹インフラに関する機密情報であって、漏えいすると我が国の安全保障に支障を来たすおそれがあるものを「重要経済安保情報」に指定して保護するとともに、適性評価をクリアした民間企業やその従業員がこれらの情報を利活用することを認めるというものです。
経済安全保障の核心部分は、安全保障の確保と自由な経済活動のバランスであり、今回の法案でいえば、機密情報の保護と利活用のバランス、情報公開やプライバシー保護とのバランスが肝要となります。この観点から、政府案は概ね妥当な内容といえるものの、内閣委員会での法案審議を通じて、問題点や課題も明らかになりました。
(法案審議を通じて明らかとなった問題点や課題)
例えば、本法案は具体的な制度設計が今後整備される関連政令や運用基準に委ねられている部分も多く、重要経済安保情報の指定件数や適性評価対象者数の見込み、新設される一元的な調査の実施体制など、なお不明点が残ります。引き続き、閣議決定などの内容を慎重に精査していく必要があります。
また、特定秘密保護法とシームレスに運用するとしながら、カバーされる情報の範囲や罰則のバランスなど、実際にはツギハギ、デコボコの制度であることも否めません。特定秘密保護法施行10年間の検証、総括含め、今後の検討、改善が求められます。
(立憲民主党の議員修正要求)
政府案の最大の問題は、制度運用に対する監視体制が極めて不十分である点です。
このため立憲民主党は、政府による恣意的な運用やブラックボックス化を防ぐため、国会の監視と政府部内の監視を大幅に強化する議員修正を要求しました。これに他の与野党にもご賛同いただき、6会派で修正案を共同提出するに至りました。
政府案には問題点や課題もありますが、本修正案とセットで成立させることで、一定の評価ができると判断し、立憲民主党は賛成することとしました。
今後は、重要経済安保情報を情報監視審査会の対象とする国会法改正などが必要となります。引き続き、各党各会派のご理解とご協力をお願いいたします。
(経済安全保障推進法改正案)
次に、経済安全保障推進法改正案について、その内容には賛成しつつ、あえて苦言を呈したいと思います。
経済安全保障推進法の基幹インフラ制度に港湾関係を追加すべきではないかとの議論は、2年前の法案審議の中でも指摘がありました。しかし、政府の見立ては極めて楽観的で、追加は必要ないとの立場を変えず、推進法は原案のまま成立しました。ところがその翌年、名古屋港でサイバー攻撃による深刻な被害が発生したため、今回慌てて、港湾運送事業を追加せざる得なくなったわけです。
法律が成立してわずか2年です。基幹インフラ制度はまだ運用も始まっていません。政府の対応は甚だお粗末で、また、国会審議を軽視していた、単なる通過儀礼に過ぎなかった、と言われても仕方がありません。我が国の安全保障に関わる重大な問題だけに、政府には緊張感を持って臨んでいただきたいと思います。