かわら版 Vol.18「経済安保、第1ラウンド」
今国会の最重要法案「経済安全保障推進法案」が実質審議入りし、野党のトップバッターとして45分間、質問に立ちました。
立憲民主党は「経済安全保障の確立」を衆院選の公約に掲げるなど、経済安全保障の重要性、必要性は認めています。
その上で、自由で開かれた経済活動、民間活力と経済成長、そして経済安全保障の実効性の確保といった観点から、小林鷹之担当大臣と議論しました。
■政府の基本姿勢と基本方針
安全保障という極めて重要な法案作成にあたっては、内々ではなく、オープンな見える形で、幅広く意見を聞くべきです。しかし、小林大臣からは「16回に及ぶ有識者会議では、基本的には外部からの有識者のヒアリングはしていない」との答弁。閉ざされた形で法案が作成されている感が拭えません。
また、法案には重要なことが書かれていません。基本方針、基本指針、政省令で今後、政府が決めるとされています。私は「骨組みはあるが、中身がよく見えない。せめて基本方針の柱ぐらいは法案に書き込むべきではないか」と提案しました。
小林大臣は「あらゆる事項を法律に規定することは困難。具体的な内容は、法施行後に策定する」との答弁でした。
しかし、企業活動や国民生活に大きく影響が及ぶ法案です。国会審議の過程で、政府の基本的な考えや方針がしっかりと示されるべきです。
■経済安全保障の定義は
法案には、肝心の「経済安全保障」の文言も定義も書かれていません。経済界からも「定義を明確にしてほしい」との要望があり、私は
法案に明記するよう求めましたが、小林大臣の答弁は「経済安全保障は多岐にわたる新しい課題であり、定義づけしていない」というものでした。
しかし、法案の一丁目一番地とも言える「経済安全保障」の文言も定義もないのは法律として不十分であり、政府の見解を文書で委員会に提出するよう求めました。
■経済活動の自由と安全保障のバランス
本法案では「規制措置は安全保障を確保するため合理的に必要と認められる限度」と規定されています。しかし、そもそも合理的でない政策は認められません。私は「合理的な限度」との規定では、過度な政府介入を防ぐには不十分であり、外為法のように「必要最小限の措置」とすべきと指摘しました。
小林大臣の答弁は「安全保障上のリスクは予測しがたい。一律に必要最小限度とは規定せず、合理的な限度とした」と否定的なものでした。しかし、自由で開かれた経済活動を守るためには、政府の規制や支援は必要最小限度であるべきです。
小林大臣との論戦は、今後も続きます。
2022年3月28日