かわら版 Vol.19「本会議初登壇! 経済安保、最終ラウンド」
約2週間に渡って議論してきた「経済安全保障推進法案」が、衆議院を通過しました。私は、4回の委員会質疑(答弁も含む)と2回の討論(委員会と本会議)に立ちました。
今回のかわら版では、本会議初登壇となった4月7日の討論から、法案に対する私たちの態度と考えをお伝えします。
■立憲民主党の基本スタンス
私たち立憲民主党は、かねて経済安全保障の重要性と必要性を訴えてきました。
今回の法案審議にあたっても、「自由で開かれた経済」、「民間活力と経済成長」を基本としつつ、いかに「経済安全保障の実効性」とのバランスを図っていくか、そういう観点から、丁寧に経済界や有識者の意見を聴きながら、論点を整理し、国会で問題点を指摘し、政府答弁で確認して参りました。
■経済安保法案(政府案)の問題点
委員会審議の中で、私たちが指摘してきたとおり、経済安保法案(政府案)にはいくつもの問題点が残されています。
例えば、法律の前提となる「経済安全保障」の定義が法文上明示されていないこと、新設する4つの制度に関する重要事項が法律ではなく今後の閣議決定や政令・省令に委ねられていること、国会報告など事後的な検証の仕組みが不十分であること、そして、これらの結果、政府の権限や裁量が過大になるおそれがあること、などです。
■政府案を補完・補強する立憲民主党の修正案
立憲民主党が内閣委員会に提出した修正案は、こうした政府案の問題点を補完し、補強するものです。改めて、その一部をご紹介申し上げます。
第一に、法案全体に通ずる基本理念を定め、今後の基本方針や基本指針、政令・省令は基本理念に則り、策定するものとします。
第二に、重要な政令や省令を制定・変更する場合に、外部専門家の意見を聴取することを法律上明記します。
そして第三に、政府の運用を事後的に検証するため、政府による国会への報告を義務付けます。
残念ながら、衆議院において修正はなりませんでしたが、その大部分が附帯決議の中に盛り込まれたことは多といたします。
■課題を残しつつも政府案に賛成
国際情勢や社会経済構造が急激に変化する中、経済安全保障の確保は我が国にとって待ったなしの課題です。
政府案には懸念点、足らざる点がありますが、私たち立憲民主党の指摘や提案含め、委員会審議の中で質疑と答弁を丁寧に積み上げて参りました。
これらの議論、そして附帯決議の内容を踏まえ、今後の参議院審議、法案成立後の運用において、政府が適切に対応することを期待し、私たち立憲民主党は本法律案に賛成することといたしました。
■「自由で開かれた経済」こそ、最大の安全保障
戦後、総理大臣となった石橋湛山氏は、戦前の帝国主義全盛の時代にあって「小日本主義」を掲げ、植民地主義や保護主義ではなく、国際協調と自由貿易こそが我が国を発展せしめると訴えました。
不幸にして、我が国はその逆の道を辿り、無謀な戦争に突入するに至りましたが、戦後はその教訓と反省を踏まえ、自由貿易体制と日米同盟を両輪として、70年以上の長きに渡って平和と繁栄を築いてきました。
経済と安全保障は、時に一体であり、時に相反し、そのバランスを図ることは、本法律案にも内在する、いわば永遠の課題とも言えるものです。
覇権主義や狭いナショナリズムが拡大し、不安定、不透明な現代の国際社会にあって、それでもなお、「自由で開かれた経済」こそが、我が国繁栄の礎であり、それを守り抜くことが最大の安全保障でもあるということを最後に申し上げ、私の討論を終わります。
2022年4月8日