かわら版

かわら版Vol.39「ザルの穴」

■通常国会閉会

150日間に及ぶ通常国会が閉会しました。

私は、2月の予算委員会での岸田総理との質疑を皮切りに、内閣委員会、憲法審査会で質問・発言10回、本会議登壇を含む討論2回、また、政治改革特別委員会では、立憲民主党の法案提出者として、連日、趣旨説明や答弁に立ちました。

怒涛の半年間でしたが、詳細は『国会論戦ダイジェストvol.5』として、私のホームページにアップしていますので、ぜひご一読いただければと思います。

■大山鳴動して鼠一匹

今国会は「裏金国会」「政治改革国会」と言われ、大きな注目を集めました。

昨年末に自民党・派閥の裏金問題が発覚し、30年前の平成の政治改革以来の令和の政治改革が期待されましたが、結果はまさに「大山鳴動して鼠一匹」で、実効性のある法改正はほぼ皆無でした。本当に残念で、情けない思いです。

■改革の本丸

今回の政治改革の本丸は、立憲民主党はじめ野党が要求した3点、①いわゆる「連座制」の導入、②企業・団体献金の禁止、③「政策活動費」の廃止または全面公開でした。

しかし、成立した自民党案は、いずれもゼロ回答や先送りで、むしろ改悪と言われても仕方のないものです。

いわゆる連座制の導入は、会計責任者(秘書など)だけでなく、議員本人も同様に責任を負うというものです。

自民党案で「確認書」に議員が署名をすることとなりましたが、政治資金収支報告書に直接責任を負わないことに変わりはなく、「秘書がやったこと」「自分は知らなかった」といった逃げ口上が、今後も繰り返される余地を残しました。

企業・団体献金の禁止は、平成の政治改革からの宿題ですが、今回の自民党案では1ミリも変わっていません。

また、企業・団体献金の抜け道と言われる政治資金パーティーについては、これまで「20万円超」だった公開基準を「5万円超」に引き下げる法改正がなされたものの、パーティーは年に何度でも開催できるため、実効性はほとんどありません。

■政策活動費をめぐる迷走と改悪

極め付けは、政策活動費をめぐる迷走と改悪です。

政党から政治家個人に巨額の政治資金が渡される政策活動費は、不透明で脱法的と言われてきました。

例えば、自民党では毎年、幹事長が約10億円を受け取っていますが、その使い道は1円も明らかにされず、課税もされません。

この政策活動費の扱いをめぐり、衆議院の採決段階で、自民党と維新の会の党首間で合意がなされました。

10年後に領収書を公開するというものですが、黒塗りも認めるなど極めて中途半端で、むしろ政策活動費を法律で認める「改悪」となりました。

参議院の採決では、迷走の末、維新の会は一転反対に回りましたが、後の祭りです。

■決着は総選挙で

今回の自民党案は、もともと「ザル法」と言われる政治資金規正法に、さらに抜け穴を作ったもので、およそ改革の名に値しません。

自民党には、裏金問題の反省も、自浄能力も、本気で政治改革を実行する覚悟もないことが、いよいよ明らかとなりました。これに賛成した公明党、維新の会も同罪です。

政治改革の議論は今後も国会で続きますが、その決着は、次の総選挙でつけることになるでしょう。政権交代を成し遂げ、私たちは「本気の政治改革」を実行します。

2024年6月23日