かわら版

かわら版Vol.47 「115兆円の血税」

■過去最大の予算案

予算委員会の論戦の火ぶたが切って落とされました。過去最大の予算案、「115兆円超の血税」の使い道を決める真剣勝負の議論です。

私も2月3日、6日と立て続けに質問に立ち、石破総理や閣僚と議論しました。今回のかわら版では、3日の総理との質疑のポイントを取り上げます。

■財政健全化目標

政府は、2025年度中に財政健全化目標を達成すると閣議決定していますが、昨年末の巨額の経済対策・補正予算による赤字拡大で、それが達成できなくなりました。

私は「閣議決定した目標を達成できなかった責任は大きい。率直に反省の弁を」と石破総理に迫りました。その上で、「期限を明確にした新たな目標を再設定すべきだ」と求めました。

残念ながら、総理から反省の弁はありませんでしたが、新たな財政健全化目標については、「時期の明示を含めて示したい」と明言しました。具体的には、6月の骨太方針で決まる見通しです。

■予備費1兆円

予備費とは、災害など想定外の事態に備えるための予算です。コロナ対策など非常時を除けば、例年5,000億円が措置されていますが、今回の予算案では1兆円も計上されています。

私は「明らかに過大な予備費。平時の5,000億円に戻し、他の政策財源に充てるべきだ」と質しました。しかし、加藤財務大臣は「1兆円必要だ」の一点張りで、その根拠は示されませんでした。

実は、使い残した予備費は決算剰余金となり、その半分は防衛費の財源となるのが今の仕組みです。立憲民主党は予備費の減額修正を求めていきます。

■半導体支援のあり方

政府は、この3年間だけで5兆円以上の税金を半導体支援に注ぎ込み、そのうち1兆円弱を次世代半導体ベンチャー企業「ラピダス」に投じています。

我々立憲民主党も、半導体の重要性、国の支援の必要性は十分理解しています。一方で、巨額の税金が特定の産業や企業に使われる以上、相当慎重な検討と丁寧な説明が求められます。

1980年代に50%以上あった日本の世界半導体シェアは、多額の税金投入にもかかわらず、今や一桁まで落ち込んでいます。私は「80年代以降の経産省の半導体政策は失敗の歴史。その検証と責任の総括がまず必要だ」と指摘しました。

その上で、「私もラピダスには成功してほしいが、追加支援の前に、支援の全体像、基本方針、ロードマップなどを明確にすべきだ」と注文を付けました。

石破総理からは「税金を使う以上、そういうことが分からないまま計画が進むことがあってはならない」との答弁がありました。先も見通せないまま、際限なく国民の税金が使われることがあってはなりません。

■日米首脳会談

さらに、私は日米首脳会談に触れて、「半導体協力について再確認すべきだ」と提起しました。ラピダスは米IBMと技術協力をしていますが、トランプ大統領の言動、政策を見ていると、いつ待ったがかかるか分からないからです。

総理の答弁は「半導体協力の重要性でよく認識を一致させたい」というものでした。その後の日米首脳会談で、その通りトランプ氏と合意できたことは、率直に評価したいと思います。

■次の山場は修正協議

議論は必ずしも噛み合わず、納得のいかない答弁もありましたが、一部には一致点も見出せました。質疑の後、ある自民党の議員さんが私の席まで来て、「良い質問でした」と声をかけてくださったのは、嬉しい一コマでした。

予算委員会はこれからも続きます。次の山場は予算案の修正協議です。

2025年2月8日
衆議院議員 本庄さとし