かわら版Vol.48 「予算案反対討論(要旨)」
■初の省庁別審査
立憲民主党では、総勢70人規模の「本気の歳出改革」作業チームを立ち上げ、各省庁の予算案を徹底的に精査しました。
とりわけ、基金は財源の宝庫でした。例えば、私が取り上げた「グローバル・スタートアップ・キャンパス基金」。これは補正予算で計636億円も積み上げながら、2年以上全く事業が進展せず、支出わずか2,470万円、執行率0.04%というトンデモ基金の代表格です。
昨年の臨時国会でも議論した「宇宙戦略基金」は、2年連続、補正予算で計6,000億円を積み上げましたが、来年度末でも残高見込みが5,000億円を超える膨張基金です。
過大な予備費についても厳しく指摘しました。「平時の歳出構造に戻す」としながら、平時の一般予備費5,000億円の倍額、1兆円が計上されましたが、最後までその根拠が示されることはなく、結局、与党修正で2,500億円が減額されました。
こうした省庁別審査を経て、私たちが発掘した財源は、計3.8兆円にも上ります。与党、財務省は一体何をしていたのか。猛省を促したいと思います。
■立憲民主党の予算修正案
この省庁別審査の成果が結実したものが、立憲民主党の予算修正案です。
発掘した3.8兆円を財源に、ガソリン・軽油の暫定税率廃止、学校給食の無償化、高校授業料無償化の拡充、介護や保育の現場で働く方々の処遇改善、「年収130万円のガケ」対策、高額療養費の負担上限額引き上げ凍結など、直ちに実施すべき政策パッケージを打ち出しました。
一方で、与党の修正案は極めて小粒の修正に留まっています。
これまで1円たりとも変えられなかった政府予算案を、29年ぶりの国会修正に持ち込んだことは、一定の成果とも言えます。しかし、政府予算案は与党修正を経てもなお、賛成できる代物ではありません。
■予算案に反対する3つの理由
反対理由の第一は、国民の命を軽視する予算案であることです。
高額療養費制度は、医療保険制度において、いわば「最後のセーフティ・ネット」です。しかし政府は、当事者である患者の皆さんや医療関係者の声を十分に聴くことなく、わずか1か月、4回の審議会で引き上げを決定しました。このような暴挙は断じて許すことはできません。
第二に、物価高に苦しむ国民生活を顧みない予算案であることです。
私たち立憲民主党は、予算修正案と税法修正案の提出という形で、ガソリン減税を求める国民の声を国会に届けました。与党は昨年12月、国民民主党と暫定税率の廃止に合意しているにもかかわらず、私たちの提案に反対しました。これでは、二枚舌と言われても仕方がありません。
第三に、「税金のムダづかい」に向き合わない予算案であることです。
与党は維新の会との予算修正合意において、予備費の取り崩しやワクチン基金から国庫への返納など、私たちが予算修正案で要求した一部を取り入れました。
私たちの指摘が適切であったことの証左ですが、これ以外の提案も取り入れることは十分可能です。与党は「税金のムダづかい」という不都合な真実に、正面から向き合うべきです。
■むすび
石破内閣、自民党・公明党政権に、これ以上わが国の予算、財政を任せるわけにはいきません。夏の参議院選挙を経て、政権交代を実現し、私たち立憲民主党の手で、日本の未来を切り拓く予算と、責任ある財政の姿をお示しします。
2025年3月4日
衆議院議員 本庄さとし
全文はコチラから → 国会質問アーカイブ
動画はコチラから → 本庄さとしYouTubeチャンネル